2023年初夏、四国を巡る旅をしていました。一度行ってみたかった豊島美術館に行くために、半日豊島への旅程を組みました。

高松港からフェリーで35分。
この日は生憎の小雨でした。
豊島の家浦港に到着後、バスで島を巡る予定でしたが、なんと到着してそのままバス乗り場に向かうも既に満員で乗車を断られ…

バスに乗れないなんて想定外だった!
島にはタクシーが一台しかないらしく、これはもうレンタサイクルしかないのか…この小雨の中…?体力0オバケなのに…?と途方にくれていたところ
「レンタカーあるよー」と手書きのボードを掲げるおじさんが。
ありがたい!と予定になかったレンタカーを借りる事に。

レンタカー代はその時4000円くらいの破格だったので、バスの時間に捉われず自由に動けるレンタカー借りて正解でした。
島は信号もないほぼ一本道なので、カーナビもいらないよ〜とレンタカー屋のおじさんに教えて貰う。
一番のお目当ての豊島美術館の予約時間までまだ時間があったため、先に「心臓の音アーカイブ」へ。

道なりに進んでいると急に開けたカーブの崖が!
これはちょっとした感動でした。

雑木林を徒歩で進む。
人気も一切なく、本当にこんなところにアート施設が…?と半信半疑になっていたところ、その先に見えてきた「心臓の音アーカイブ」。


ここは心臓の音を恒久的に保存するクリスチャン・ボルタンスキーのアート施設。
せっかくなので私も心臓の音を録音して保存しました。
私達以外に客はいなかった為、本当に静かな空間で。
雑木林をぬけた崖っぷちにぽつんと佇むこの施設に、私の心臓の音が保管されていると思うと不思議な気持ちになる。
時間になったので豊島美術館へ。


メインの施設に向かう道。
この先には雑木林もあって結構長い。
メインの施設は白いコンクリートで作られた大きな楕円形のドーム。
天井には大きな穴が空いていて自然光がはいってくる設計です。
ただそれだけ。
それだけのその空間の中に入り、見て感じる美術館です。
施設の中は写真・動画撮影・会話も禁止。
穴から降り注ぐ小雨の音、風、雲の切れ間から見える光、木々がゆらめく音を空間の中で眺めました。
床には小さな穴から少しずつ水が湧き出て、生きてる様に形を変えて流れていき、また違う穴へ落ちていく。
ただそれだけの空間なのにずっといられる。
初めての不思議なアート体験。
一番好きな美術館です。
メインの施設を出るとその先にある売店とカフェも素敵だった。



豊島はこの他にもアートが散りばめられていて、駆け足だったけどとても楽しかった!



これまで、正直美術館ってすごく好きというわけではなくて。
人が多くて作品を鑑賞するのも並んで押し出されるように次の作品へ、というのがあんまり好きではなかった。
でも豊島美術館に来てみて、アートを鑑賞する方法はもっと自由なんだと初めて知りました。
瀬戸内に浮かぶ小さな島、豊島。
ここに私の好きが詰まっていました。
今年は瀬戸内国際芸術祭が開催される年。
ぜひ豊島でのアート体験を楽しんで欲しいです。
◼️2024年 直島を巡った話